医療法人 木下会 うしぶか心愛病院

理事長ご挨拶


 当院「牛深保養院」は平成27年4月1日より「うしぶか心愛病院」に名称が変わりました。
 早いもので昭和44年5月1日牛深保養院として発足しまして、もう45年が経過しました。この間、日本の精神病院を取り巻く環境は大きく変わりました。同時に精神科医療も大きく変化して参りました。私が精神科医になった当時、アメリカのライシャワー大使が統合失調症の患者さんに刺されるという問題がおこりました。その為に、精神衛生法が制定され、謂る措置入院制度が発足し、それ迄、殆んど社会の中で生活した患者さんを、病院をつくり収容することを目標に、民間の病院が全国につくられ、県にも県立精神科病院をつくることが義務づけられ、熊本県は小川町に小川再生院として発足しています。現在の県立こころの医療センターの前身です。当時は行政も一寸でも暴力問題が絡んだ症例は収容を勧める雰囲気が強く、現在の社会復帰を促す姿勢とは大きく異なり治療という概念は余りありませんでした。
 又、天草の状況も大きく変わってきました。牛深保養院発足当時の牛深保健所管内(牛深市・河浦町)の人口には約5万人弱で、入院する患者さんも約8割は統合失調症の人達でした。又、強制的な対応ですので、当然患者さん側にも荒々しさが強く、院内でもよくトラブルが発生していました。
 今日では入院する患者さんの8割は認知症の人達へと変化しています。現在の精神科医療は患者さんの人格尊重という概念が基本になっています。私共もその流れに沿った姿勢が必要です。
 県内でも病院名変更が行われています。精神科医療の学びの流れにそぐわないものではとの意見が数年前より当院でも強くなり、今回の病院名変更が実現することとなりました。スタッフより選んで戴きました「うしぶか心愛病院」という名称は新しい精神医療にも、又天草のこれからの社会にもよくマッチした名称ではないかと思っています。皆様方のお力添えを得まして「うしぶか心愛病院」が、今後益々内容がより充実した病院に発展して参りますことを願って、御挨拶といたします。

理事長 木下 裕章  

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